頑張る人の物語

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第20回 『 共感を生む人~中野信治

 2002年12月末から、中野は自らスポンサー周りを開始した。F1、CARTと世界のトップカテゴリーで挑戦し続けたドライバーが自らスポンサーに連絡をして協賛金依頼をすることは極めて異例なことだ。もちろん、中野がすべきことはスポンサー集めだけでなく、チームとのコミュニケーションや自らのトレーニングなどもある。時間を作り、中野は全てをこなしていった。

 昼は何十社という会社に電話をかけスポンサー周り、夜はアメリカにいるチームと直接交渉と文字通り休む間が無い生活が続いた。このような中、ある会社のオーナーが中野に対して尋ねた。

 「何でF1、CARTと頂点を極めた君がこうまでして資金集めに走るんだ?」

  「世界1になりたいからです」

  「そこまでして世界1になりたいのは一体何故なんだ?」

  「それが自分の夢だし、自分を育ててくれたレースに対して恩返しをしていきたいからです。今なら世界一位になれるという自信があります。これが2年後、3年後になってしまうと正直な話、もう世界一位にはなれるその可能性は低くなってしまいます。でも、今自分がきちんとした体制で参戦することができれば世界一位になれると思っているし、そしてそう思えていないのであれば僕は今皆さんから協賛金を受けようとは思いません」

 しばらくのやりとりの後、この会社のオーナーは中野に対するスポンサーを決意する。やはりその夢と中野の信念に惹かれたのだ。

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