頑張る人の物語

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第21回 『 夢は諦めない

 中野は自らの熱意と努力でスポンサーを獲得したものの、時間的にも、金額的にもギリギリの状態だった。

 2003年4月に開催されたインディ茂木では11位、5月に開催されたインディ500では14位という成績に中野は終わった。もちろん、良い成績ではない。だが、いずれのレースも参戦できること自体が数日前に決まり、他のドライバーが十分なテスト走行などをしているのに対して中野は一切そうしたことができない状態での参戦だった。

  また、他のドライバーが数億円の予算をかけているのに対して中野は数千万円の予算という状態での参戦だった。当然、マシンやエンジンを始めとし、細かい部分にも違いは出てきた。

 おにごっこをする際に、地元でやるのか初めての土地でやるのかと同じ位の違いがあり、かつローラースケートを履いた相手とはだしで競う位の違いがそこにはあった。

 だが、もちろん結果は結果だ。中野自身、レーシングドライバーとして自分に残された時間に限りがあることを誰よりもよくわかっている。2004年のレースに最高のコンディションで臨み、そしてベストの状態で走り抜きたい。そして、そうした状況で結果が出せなければ自らでけじめをつける覚悟は出来ている。

 優勝出来るとは言い切れない。才能ある選手が努力に努力を重ねて参戦するレースだ。軽率に優勝が出来ると言ってしまうことは、そうした強豪に対する侮辱にもなってしまう。

  ただ、今の中野にはレーシングドライバーとして必要なものが揃っている。それはドライバーとしてのスキルやメンタリティ。チームとのコミュニケーションのとり方。そして確固たる信念、ハングリー精神だ。

 僕が中野を信頼し、小額ではあるが彼に対して資金を提供したのはやはり彼が勝てるという事を信じたからであり、それは彼の信念が確固たるものだったからだ。そして、それは他の彼の支援者にとっても同じはずだと考えている。

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