頑張る人の物語

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第2回 『 多くの人に徹を知ってもらいたい!!

 「小田さん、僕の友達に石川徹っていうのがいるんですよ」

 柴田は彼がやろうとしている事を説明し始めた。

 「実は徹は筋ジストロフィーっていう病気なんですよ。段々と筋肉が収縮していってしまうという。でも実際に俺があいつと一緒に生活している中で結局全然変わらないんっすよね。普通に面白い所は笑うし、悲しいときは泣くし、エロ本だって読むし・・・。それなのに普通の人はもちろん、いわゆる障害者支援系の団体も彼らを“障害者”という枠にあてはめてしか見ないんですよ」

 要するに、彼の友人である石川徹をはじめ多くの障害者は実は健常者とほとんど変わりない。でもその事実を多くの人が知らなさすぎる。それは障害者支援の活動をしているNPOや行政においても同じことに問題意識を持っていた。

 「でもこういうの伝えたくっても、イベントやっても人あまり来ないし、来る人も結構偏った人になっちゃうし・・・。何かいい案ないですかね?」

 柴田は僕の目を見つめながら、このようなことを言った。

 その後、“いい案”が出るまでどういう過程を経たのか確かには覚えていない。ただ、一つ言えることは“彼ら”つまり柴田たちは日本を一周することになった。それもDUET自転車という車イスと自転車を連結させた二人乗りの自転車で。

 障害者が実は健常者と変わらないということを伝えるには、実際に一緒なんだという事を身をもって示さなければならない。また、“示す”といってもイベントなどをやっても偏った人しか来ないので、それならこちらから行けばいいのではないか・・・。

  こういう短絡といえば短絡、わかりやすいといえばわかりやすい論理に従って、“彼ら”は団体名をACTとし、活動をすることになった。

 結局は2003年7月20日に横浜ワールドポーターズを出発し、107日間かけて11月3日に同場所へDUET自転車で戻ってくるという旅となったわけだが、この活動が実現するには、その準備段階、そして旅の途中に大きな困難があった。

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