頑張る人の物語

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第6回 『 障害者への世間の目

 あるとき、柴田は石川の立場で社会を見てみたいと思った。車椅子を借りてきて、柴田がその上に座った。友達に頼み、車椅子を押してもらい、新宿の都庁まで行こうと思った。他人から見られている感じがすごくした。みんなが気を遣ってくれる。

 どこへ行っても「ありがとう」と言ってしまう。電車を乗るときも駅員の手を借りる。降りる駅では事前に連絡を受けた駅員が待機してくれている。そこでも「ありがとう」と言いながら電車から降りる。柴田は非常に気疲れをした。そして、思った。

 「徹はいつもこんな経験をしているのか・・・」

 夏になり、柴田は石川とさまざまな所に遊びに行った。柴田と一緒であれば石川も今まであまり行けなかった所に行ける。二人は海に行った。川に行った。しかし、どこへいっても周りの人が

 「車椅子だと危ないからやめておきな」

 と言ってきた。身を心配してくれるのはわかる。しかし、彼らは石川の限界を勝手に作ってしまうのだ。

 柴田に対して「これは違う!!」と思わせた決定的な言葉があった。ある日、同じように石川の車椅子を押して買い物をしていたときだった。

 「お兄ちゃん、若いのにボランティア?偉いね~」
  
  衝撃的だった。

 何かひっかかるものを心に残しながら、柴田と石川は買い物を続けた。

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