頑張る人の物語

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第11回 『 ACTの協力者(1)

 このように、ACTは多くの人に準備期間から感動と笑いを与えていった。そして、その思いが伝わったのか徐々に多くの人が協力をしてくれるようになる。

 最初の協力者は横浜市社会福祉協議会の鈴木紀雄氏だった。鈴木氏と柴田の出会いも偶然なものだった。柴田が大学1年のとき、石川の気持ちを味わおうとして車椅子に乗って新宿都庁に行こうとしたことは述べた。

 そのときのことだ。JR根岸線の新杉田駅で柴田は鈴木氏に声をかけられた。

 「何?体験?」

 鈴木氏は車椅子生活をする人たちを支える活動をしている。柴田が車椅子の体験生活をしていることが一目でわかったそうだ。少し二人は話をした。柴田は石川のことや自分の考えを話した。すると、鈴木氏は名刺を柴田に渡してくれた。『横浜市社会福祉協議会 常務理事』とそこには書かれていた。柴田にとって、人生初の名刺だった。

 新宿都庁に行った後、柴田はこの名刺に書かれた住所にその足で向かった。何か用事があるというわけではない。なんとなく足が向いたのだ。鈴木氏は朝に会った青年が訪れたことに驚いたが、優しく迎え入れてくれた。そして二人はまた少し話をした。このとき、まだACTという団体は発足していない。

 ACTが発足し、柴田が鈴木氏に連絡をしたのは会ってから一年弱経っていた。その後、特に連絡は取り合っていなかった。しかし電話をすると、鈴木氏は柴田のことを覚えていてくれてすぐに会ってくれた。

 最初は企画が固まっていないので、鈴木氏も何ともしようがなかったが、企画書を作成して何回か話をしていく中で柴田の思いも伝わった。

 「若者が蒔く種の芽を大人がつぶすのはやめようじゃないか。むしろ、育てていこう。失敗したっていいじゃないか」

 鈴木氏はそういって福祉協議会を説得してくれたらしい。こうして、横浜市社会福祉協議会はACTの後援をしてくれることとなる。

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