頑張る人の物語

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第13回 『 警察からの警告

 しかし、準備期間の困難はまだ待ち受けていた。7月19日、出発の前日である。柴田は神奈川県警より呼び出された。「県警本部まで来て欲しい」夜の20時のことだった。

 柴田が一人で神奈川県警に行くと、20人位の県警幹部が柴田を囲んだ。

 「二人乗りの自転車で走るそうだね?」

 県警幹部の一人が柴田に尋ねた。厳しい口調ではなかったという。しかし、ある種の不安感を柴田は感じていた。柴田は肯きながら、ACTの思いや活動概要を話しはじめた。

 この数日前に警視庁のほうにある人が「二人乗りの自転車で走っていいのか」という問合せをしたようだ。それで警視庁から各県警に通達がいった。警視庁からの通達に神奈川県警は焦っていた。
  
  調べてみると、警視庁からの通達できたACTという団体は所轄内の桜木町ワールドポーターズを出発点にしていることがわかったからだ。現行法では二人乗りの自転車は認められていない。公道を走っては行けないのだ。

 最初、柴田は多少当惑した。しかし、ここに来てやめるわけには行かない。最悪の場合、強行決行をしようと考えつつも、彼がやりたいこと、考えを再度説明した。県警幹部の人たちもその姿に心を打たれた。

 「個人として、私は応援していきたい」

 ある県警幹部が言った。それに続き、その場にいる人たちがみんな、目の前にいる青年を応援していこうということになった。ちょうど、同じくらいの年齢の息子がいるとのことだった。放ってはおけなかった。県警幹部の人たちはそのあと一時間位して、道路の使用許可さえとれば二人乗り自転車でも走れることを確認してくれた。

  時間は夜の23時。もちろん一般的には業務時間外だったが、すぐに使用許可を発行するよう手続きしてくれ、30分後には柴田は神奈川県の二人乗り自転車走行許可を得ることになる。

 心強い応援を最後にして得ながら、柴田は家に帰り翌日の準備をした。

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