頑張る人の物語

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第17回 『 徹がいない日本一周

 石川は回復した。だが、日本一周をすぐには続けられないのは当然だった。医者もさすがに二週間は入院をしたほうがいいと言った。その二週間をどうするか、柴田たちは話し合った。

 ACTは石川と一緒に日本一周することに意味があった。もちろん、柴田たちはしばらくここに滞在して、石川の回復を待つことを選んだ。しかし、石川が否定した。石川は柴田たちに先に行くことを希望した。そして、あとで合流すると約束したのだ。

 ここで待機をしたら逆に石川に気を遣わせてしまう。また、石川が希望するのであればということで柴田たちは石川抜きでACTを再開させることになる。

 「早く戻ってこいよ~」

 病院が見えなくなるまで何回も振り返って柴田たちは叫んだ。そして、そのまま数日間柴田たちは道を走った。

 石川抜きでのDUET自転車。普段石川はナビゲーションをするとはいっても実質的には何もしていない。ほかのメンバーで道がわかるから旅をする上で石川には役割は特になかった。しかし、そんな石川でも柴田に冗談は言った。その石川が今はいない。何か空虚な思いを募らせたまま、柴田たちは自転車を漕いでいた。

 「普通のことってホント大切ですよね。徹がいなくなってから、そしてこの日本一周をしてつくづく思いますよ。本当にごく当たり前のことができなくなると、普通に生活できていることの良さって見えてきますよ」

 柴田はこのときのこと、日本一周のときのことを振り返って言う。

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