頑張る人の物語

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第18回 『 こんなのACTじゃない!!

 空虚な感じがしていたのはもちろん柴田だけでない。ほかのメンバーもそうだった。いつもは県をまたぐとき、その日の目的地に無事到達したとき、みんな一体となって喜んでいた。しかし、石川がいなくなると何か達成感がなかった。再出発の希望は石川のものだった。しかし、何かが違っていた。

 もうあとには戻れない。どことなくみんなが感じてはいた。しかし、何かみんなの間に微妙な空気が流れ、些細なことで喧嘩もした。みんな自分勝手になっていった。ACTは日本一周をスタートした時以来はじめてバラバラになってしまった。

 「このままACTやっていて意味はあるのだろうか?」

 8月22日の夜、柴田は考えていた。場所は宮崎県東臼杵郡。ACTがここの駅の道でテントを張って夜を過ごした。柴田はこの日眠れなかった。いろいろと考えごとをしていた。それは、石川と会ってからの日々のことでもあった。ACTをやろうと思い立った日々のことでもあった。一晩中考え、柴田の決意は固まった。

 23日の朝、柴田はみんなを集めて言った。

 「俺さ、徹に会いたいんだけど」

 7,8人のメンバーが黙って柴田を見た。みんなも薄々と感じていた。何か違うと思っていたのは石川がいないためであり、このままだと何のために日本一周しているのかがわからない。そんなメンバーの顔をみながら、柴田は続けた。

 「俺は会いに戻りたい。このまま日本一周しても上っ面だけの日本一周になっちゃう。そんなことに意味はないと思う」

 みんな考えていた。柴田はまた続ける。

 「俺は一人でも戻る。みんなが反対しても。どう思う?少し考えてくれ」

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