頑張る人の物語

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第19回 『 起業への決意

 「あんた、そんなにしたいんなら自分でやったらいいじゃない!!」

 元リクルート会長江副氏の奥さんだった。彼女自身も教育ビジネスを手がけており、たまたま大学の友人が江副氏の娘である関係で紹介をしてもらった。

 船橋の思いと事業計画を聞くと、江副夫人は非常に共感をした。しかし、それをどこかの会社に入ってやろうとしている船橋の姿勢が気に入らなかった。やりたいならばまずは自分でやるべきだ。そう彼女は船橋に説いた。

 「したいなら自分でやればいい!」

 この一言には目から鱗が落ちた。今まで、起業という選択肢は考えた事も無かった。それは別に船橋だけに問題があった訳ではないと思う。

船橋は教育を通じて社会全体を変えたいと思っていた。社会全体を変えるのであれば、個人の力よりも既にある大きな組織の力を活用した方がより確実だしより影響あることができる。個人の力だけで社会を変えることは現実的ではない。

 しかし、同時に現実的なこととして個人で動き出して流れを起さないと、大きな組織は動かないという事実もある。船橋は自らの役割を定義した。

「自分は社会を0から100まで全てを変えていく者ではない。まずは一石を投じて、流れを作る役割だ」

 こう定義できた船橋は強かった。偶然ではあるが、株式会社を作る際に最低限必要な資本金1000万円分は貯金として溜まっていた。

事業を始める者にとって必要なのは“思い”とパートナー、そして最低限の資金だ。パートナーはまだ決まっていなかったが、LPCを通じて得た仲間はたくさんいた。船橋の起業への決心は堅くなっていた。丁度こうした起業への意識が高まっていた時だった。会社の方から
 
  「ニューヨークへ転勤してくれ」

 という辞令が下った。今回ニューヨークに行ってしまっては自分は機会を喪失してしまうだろう。船橋は確信していた。そして、決断した。この意思決定は自らが自分の意志として強く自信を持って下せたものだった。

 「会社を辞め、起業しよう!!」

 事業計画などは無かったが、船橋は知っていた。貧しいからといって不幸せではない。不安ではあるが何とかなるだろう。世界中を見て多くの価値観と接してきた船橋にとって失敗はそこまで危険なものではなかった


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